前回、栄養素の摂取は脳へ情報伝達を司る神経伝達物質の生成に
必要でうつとの重要な関係があると紹介しました。
今回は、具体的に各栄養素がどのような影響を与えるかを
お話ししたいと思います。
まず、n-3 系(ω-3)不飽和脂肪酸があげられます。
n-3 系不飽和脂肪酸とは必須脂肪酸(生命維持に必要な脂肪酸)で、
その中でもうつに効果があるn-3 系不飽和脂肪酸は、
エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)です。
EPAやDHAは魚から摂取しないと不足しやすい栄養素です。
これらの栄養素が心疾患のイベントの予防に有効であることは
古くから知られていますが、
うつ病でも、魚の摂取量が少ないことや血中n-3 系不飽和脂肪酸濃度の
低下とリスクとの関連が指摘されています。
また,EPAやDHAの補充療法が有効であるという報告は、
うつ病や双極性障害を含む種々の精神疾患においてなされています。
ある報告によると東日本大震災によって大きな津波被害を受けた
北茨城市の女性563人を対象に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)症状と
関連する要因を調べ結果、
強いストレスを受けていた者の中では、
血中EPA濃度とPTSD症状(過覚醒,侵入)との間に
有意な負の相関があり、魚の摂取頻度との間にも負の相関を見出した。
つまり、魚の摂取(EPAの摂取)は、うつに効果があるということである。
米国精神医学会では,週に少なくとも2回は魚を食べることや,
気分障害だけでなく,衝動制御障害,精神病性障害などに
EPA+DHAの摂取を推奨している。
EPAやDHA製剤は医薬品でも市販されており、
適応症である脂質異常症を併発している患者では活用できます。
ちなみにEPAを含む魚は、
まぐろ、いわし、ぶり、さば、さんま、鮭など
であります。
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